カルチャーマッチ採用の鍵は、組織データと適性検査の連携にあり:株式会社相鉄ホテルマネジメントの「テキカク」導入事例
- 導入の背景
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- 人事部と役員との間で求める人物像にギャップがあった
- 組織との相性や価値観バランスを客観的に判断できる材料が必要だった
- 気付き・変化
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- 客観的なデータにより、人事部と役員で共通認識をもつことができた
- カルチャーマッチ採用のための、重要な指標となっている
- 組織全体のバランスも考慮した採用ができるようになった
株式会社相鉄ホテルマネジメントさまは、相鉄グループのホテル運営会社です。主な事業内容は、「相鉄フレッサイン」「相鉄グランドフレッサ」などの直営店約60ホテルの運営、パートナーホテル事業の展開、国内外でのホテル開発を手がけています。
通年の中途採用をはじめ、2024年からは新卒採用も本格的に再開している同社では、採用活動の立ち上げフェーズにおいて採用適性検査「テキカク」を導入しました。従来の適性検査では把握できなかった「組織との相性」や「価値観バランス」を重視したカルチャーマッチ採用を進めています。
経営管理本部 人事部 課長代理 齋藤 亜莉沙さまに、採用適性検査「テキカク」導入の経緯から具体的な活用方法、今後の展望までお話を伺いました。
採用活動の立ち上げ期に、自社に合った適性検査の必要性を実感
現在の採用チームの体制と採用活動の状況について教えてください
齋藤さま:
現在4名体制で新卒採用、中途採用を担当しています。元々は私ともう1名の2名で業務分担していたのですが、業務量が多く、また今後SNSでの情報発信を注力していきたいことから今年4月より1名加わり、上司も含め4名体制で採用チームとして業務を行っています。
現在の採用活動の状況としては、中途採用を通年実施しており、年間で約10名ほど採用しています。
新卒採用は2020年、2021年に行っていましたが、その後2年ほど採用活動を中断していました。2024年から新卒採用を再開させ、2025年卒については、すでに内定式も終わり、6名の採用が決定しています。
採用担当として業務を始めた当初は、正直かなり苦戦しました。最初は本当に手探りの状態で、応募者も少なく、良い方との出会いも限られていました。また、最終面接まで進んでも採用に至らないケースが多かったんです。
特に課題だったのは、人事部での一次面接における判断基準と、役員が求める人物像にギャップがあったことです。私たちは当初、英語力やシフト管理など、スキル面を重視していました。しかし、実際に求められていたのは、当社や業界に対する思いをしっかり持っているかどうかという点だったんです。
そのため、当社や業界に対する思いに加え、候補者との現在の組織との相性や、価値観バランスを客観的に判断できる指標が必要だと強く感じていました。
今まではどのような適性検査を利用していたのですか?
齋藤さま:
以前は、アルバイトや契約社員の正社員登用試験において、他社の適性検査サービスを使用していました。
ただ、以前利用していた適性検査は単純な職務適性の判断に留まっており、好きなことしか取り組まない傾向があるのか、チームワークの得手不得手といった基本的な適性しか見ることができませんでした。
新卒採用においては、求人媒体と連携している適性検査を利用しており、ポテンシャルや考え方を見るうえでは良かったのですが、中途採用では少し違和感や物足りなさを感じていました。
マネジメント素質や職業適性などの結果は出るのですが、私たちが本当に知りたかったのは、候補者と当社の組織風土との相性が合うか、価値観が大きくズレていないという点だったんです。
客観的なデータにより、人事部と役員で共通認識をもてるようになった
では、「テキカク」をお選びいただいた理由を教えてください
同時期に、社内で従業員満足度調査の見直しを検討していました。
その中で、「従業員満足度を測る前に、まず会社と社員のエンゲージメントを測るべきではないか」という議論になり、エンゲージメントサーベイの情報収集をはじめたところ、ラフール社の提供サービス「ラフールサーベイ」に辿り着きました。
「テキカク」は、「ラフールサーベイ」で得られる社員の価値観や組織風土などのデータを活用し、候補者と自社の社風や価値観がマッチしているかを測れる適性検査という点に興味を抱き、導入検討に至りました。
検討の結果、サーベイと適性検査の連携、当時の自社の課題を解決できると感じ、「テキカク」の導入を決めました。
採用フローにおいて、どのように「テキカク」を利用されていますか
書類選考通過後、面接前に受検をお願いしています。履歴書と職務経歴書、「テキカク」の結果を合わせて確認した上で面接に進む形です。
面接は人事による1次面接、役員3名による最終面接の2段階で実施しています。役員陣にもサーベイの回答をしてもらい、ハイパフォーマーとして設定したりと、システムへの理解を深めてもらいました。
そのおかげで、結果の解釈や活用方法について、人事部と役員で共通認識を持つことができています。
面接時には、結果に対して直接的に触れませんが、履歴書や職務経歴書に書かれている経験と「テキカク」の結果の傾向との整合性を確認するようにしています。
候補者の「組織との相性」や「価値観バランス」が重要な指標
「テキカク」の結果で重要視しているポイントを教えてください
当社のハイパフォーマーを分析すると、とても興味深い傾向が見えてきました。人物タイプではアドボケーターが約6割を占め、シーカー、ブレイン、ドリーマーも多い傾向にあります。一方で、サポーターやガーディアンは比較的少ない傾向にあるんです。
ただし、これは必ずしも理想的な状態とは限りません。例えば9割がドリーマーというのは組織として偏りすぎだと思うんですよね。サポーター的な人材もバランスよく必要です。「テキカク」の結果を見ることで、そういった組織全体のバランスも考慮した採用ができるようになりました。
また、価値観の部分も重視しています。特にホテル業界では対人関係が重要になるので、対人関係の重視度や自立性、人間関係に対する考え方は慎重に確認していますね。
ストレス耐性については、極端な傾向が見られないかは念のため確認しています。
また、各エリアの統括支配人をハイパフォーマーとして設定し、候補者との比較をし、「このエリアに配属されたらどうなるか」といったイメージをもって面接に臨んでいます。
従来の面接では、面接官の主観になりがちな人物像が「テキカク」によって、客観的なデータとして共通認識をもって会話できる点は非常によかったと感じています。
「テキカク」で得られる客観的なデータは、候補者の「組織との相性」や「価値観バランス」を重視したカルチャーマッチ採用を実現していくために、重要な指標だと考えています。
今後「テキカク」に期待すること、活用していきたいことなどがあれば教えてください
新卒採用については、求人媒体と連携している適性検査との併用を検討中です。今できることとして、内定後のフォローや配属検討時には「テキカク」の活用を積極的に考えています。
「テキカク」を単なる判断材料としてではなく、候補者をより深く理解するためのツールとして活用していきたいです。
また、主観的な判断に偏らず、組織全体のバランスを考慮した採用活動の参考データとしても活用していければと思っています。